優待目的で買った株が、半年で40万円減った話 ─ 権利付き月の高値掴み(30代男性・本人とのやり取り)
Y.Sさん(33歳男性・関東圏・銀行員)が、優待目的で買った飲食銘柄を、権利落ち後の業績下方修正で40万円台の損失となるまで保有した記録。
Y.Sさん(仮名・33歳男性・関東圏の地方銀行で窓口業務をしている)から届いた話。株主優待を目当てに飲食系の銘柄を買い、半年で40万円台の含み損を抱えるまでの記録。3銘柄を合わせた金額で、本人の公開許可を得ている。
管理人も株主優待には惹かれるほうなので、Y.Sさんの入口の気持ちはよくわかる。優待という「おまけ」が主役に見えてくる感覚を、この話はていねいに見せてくれた。
優待生活ブログに憧れて
Y.Sさんがきっかけにしたのは、知人が読んでいた「優待生活」のブログだった。株主優待だけで食費を浮かせ、外食をまかなう暮らしが紹介されていた。
銀行の窓口で日々お金を扱いながら、自分の資産は増えていない。その感覚もあって、Y.Sさんは「優待なら、株が下がっても優待券は手元に残る」と考えた。
権利付き最終日の前に、高値で買った
Y.Sさんが選んだのは、飲食系の東証プライム銘柄を3つ。いずれも、優待がもらえる権利の確定する月だった。
権利付き最終日が近づくほど、優待を狙う買いで株価は上がりやすい。Y.Sさんが買ったのは、まさにその上がったところ。優待利回りの数字だけを見て、株価の高さは気にしていなかった。
優待利回りは、株価が変わらないことを前提にした数字。買った株価が高ければ、その前提は最初から崩れている。Y.Sさんがそれに気づくのは、もう少し先のことだった。
権利落ちと、業績の下方修正
権利が確定した翌営業日、3銘柄とも株価が下がった。優待や配当の権利がなくなったぶん、株価が調整される「権利落ち」だった。ここまでは、想定の範囲だったという。
想定外だったのは、そのうちの1社が、ほどなくして業績の下方修正を発表したこと。株価はさらに下げた。つられるように、他の2銘柄も値を下げていった。
半年後、3銘柄を合わせた含み損は40万円台になっていた。
届いた優待券の有効期限が、業績悪化のニュースより短かった。
優待券だけが、手元に残った
その間、Y.Sさんの手元には、約束どおり優待券が届いていた。飲食店で使える券。けれど、その額面は数千円ぶん。含み損の40万円台とは、桁が違った。
優待券は使えば消える。有効期限もある。一方の含み損は、売らないかぎり残り続ける。「優待は手元に残る」と思って始めたのに、残ったのは優待券ではなく、含み損のほうだった。
Y.Sさんは今も、その3銘柄を持ち続けている。「売って損を確定させる踏ん切りが、まだつかない」と話す。優待生活に憧れて踏み出した一歩が、半年でどこへ来てしまったのか、自分でもまだ整理できていない、と言った。
Y.Sさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はY.Sさん個人の体験から得られた視点の整理であり、当サイトからの投資助言・売買推奨ではありません。投資判断は読者ご自身の責任において行ってください。
- 優待利回りは、株価が一定であることを前提にした数字。
- 権利付き月の高値圏での購入は、権利落ち後の下落リスクが構造的に高い。