マッチングアプリで知り合った『投資家』に580万円送金した東京の40代主婦の話
東京都内の40代主婦Mさん(仮名)が、マッチングアプリで知り合った海外在住の『投資家』男性に、6か月で580万円を送金。ロマンス詐欺と判明後、金は戻らなかった。
Mさん(仮名・44歳女性・東京都内の専業主婦)から届いた話。マッチングアプリで知り合った「海外在住の投資家」を名乗る男性に、半年で580万円を送ってしまった。相手への好意と、投資という名目が組み合わさった、ロマンス投資詐欺と呼ばれる手口だった。
夫婦関係に悩んでいた時期に
2023年の年末、夫婦関係に悩んでいたMさんは、既婚者向けのマッチングアプリに登録します。やり取りが始まったのは、香港在住で40代の日本人男性。「投資家」を名乗るプロフィールだった。LINEに移ってからは、英語と日本語が混じった優しいメッセージで、少しずつ距離を縮めてきた。
家庭で満たされない思いを抱えていたMさんにとって、毎日届く気づかいの言葉は、心の隙間に静かに入り込んできた。
「君も少し増やしてみないか」
出会って3か月ほど経った頃、相手から投資の話が出ます。「自分が使っている海外の取引所で、君も少し増やしてみないか」。Mさんはまず50万円を、相手が指定した口座に送金した。
1週間後、画面上には「120万円に増えた」と表示されます。けれど引き出すには手数料が必要だと言われ、Mさんは追加で80万円を送る。増えた数字を見せ、引き出すために更に払わせる。この時点で、すでに手口の流れに乗せられていた。
半年で、580万円
その後も「税金分」「保証金」「口座凍結の解除料」といった名目が次々と続き、Mさんは半年で合わせて580万円を送金します。原資は、実家から受け取った相続のお金と、夫の貯金。夫には無断だった。
8回目の送金を終えたあと、相手と連絡が取れなくなります。LINEのアカウントも消えていた。Mさんは警察と消費生活センターに相談したものの、海外のサーバーを経由しているため、犯人の特定は難しいという回答だった。
夫への告白と、離婚調停
やがて夫が、貯金口座の異常に気づきます。Mさんはすべてを打ち明けた。現在、離婚調停が進んでいる。失ったのは580万円と、立て直そうとしていたはずの家庭だった。
この失敗の構造
マッチングアプリで知り合った相手から持ちかけられる投資の話は、ほぼ例外なく詐欺と考えてよい。好意を先に育て、信頼が十分に深まってからお金の話に移る。その順番こそが、ロマンス投資詐欺の設計だった。画面上で「増えた」と見せ、引き出すために手数料を払わせる流れも、典型的なパターンとして繰り返されている。
そして海外送金は、一度送ってしまうと国内のようには追跡も回収もできない。さらに、配偶者の口座から無断で送ったことは、損失とは別に、夫婦の財産と信頼を壊す問題として残った。Mさんの580万円は、寂しさと好意が同時に突かれた結果だった。
Mさんが振り返って言っていたのは、お金を取られたこと以上に、半年間の優しさが全部演技だったとわかったことのつらさだった。寂しさにつけ込み、好意を装い、投資という名目でお金を抜く。狙われたのは財産だけではなく、心の隙間そのものだった。家庭を立て直すきっかけを探していたはずが、結果として家庭を失うことになった。
Mさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はMさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- 「お前にだけ」「内部情報」「上場前」「税金が必要」は、典型的な詐欺フレーズ。
- 送金先が個人口座 or 海外口座なら、ほぼ確実に詐欺。即時被害届の準備に動く。
- 出金時に追加費用や保証金を要求されたら、その時点で「払うほど深みにハマる」フェーズ。
もう一度選び直すなら
失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。
専門家に相談する
ひとりで抱えると判断が鈍る。
被害の状況や生活設計の悩みは、その道のプロに早めに話す方が結果的に軽くなる。