「海外バイナリーオプションで月50万」90万円送金、口座凍結で出金不能の30代男性
青森県の30代男性契約社員Zさん(仮名)が、SNS広告で知った海外バイナリーオプション業者に90万円を送金し、出金時に口座凍結で全損した経緯。
Zさん(仮名・31歳男性・青森県の物流会社の契約社員、年収約320万円)から届いた話。「海外バイナリーオプションで月50万」という広告を入口に90万円を入れ、出金しようとした段で口座ごと凍結された。負けて失ったのではなく、勝った数字を引き出せないまま止められた、という形の損失だった。
「3万円から始められる」という広告
2024年の初め、ZさんのInstagramに広告が流れてきます。「海外BO(バイナリーオプション)で月50万、3万円から始められる」。業者はマーシャル諸島に登記された海外法人で、日本語のサイトを運営していた。
少ない元手で大きく狙えるという数字は、収入を増やしたいZさんに刺さった。3万円からなら、という手軽さが入口の敷居を下げていた。
「勝てる」と思わせる、最初の表示
Zさんはまず5万円を入金します。すると、プラットフォーム上で30分のうちに7万円へ増えた表示が出た。「これは勝てる」。そう判断したZさんは、追加で25万円、さらに60万円を順に入金していった。累計で90万円。
画面の中で資産は順調に増えているように見えた。けれど、その数字は業者側がいくらでも見せられるもので、引き出して初めて意味を持つお金だった。
残高150万円、出金できず
2か月目、プラットフォーム上の残高が150万円に達したため、Zさんは出金を申請します。ところが業者は「出金には総取引額の○倍の取引が必要」という理由でこれを却下した。さらには「口座セキュリティ確認のため」として、一時凍結までされてしまう。
勝っているはずの数字に、自分の意思では手が届かない。出金しようとした瞬間に、次々と条件が後出しされていった。
業者の正体
不審に思ったZさんが、金融庁のホームページで業者の登録状況を確認したところ、その業者は無登録業者リストに載っていました。すでに金融庁から警告書まで出されていた業者で、そもそも日本人の顧客に営業すること自体が金融商品取引法に違反していた。
無登録の海外業者であるため、日本国内での法的な措置は難しい。Zさんは消費生活センターと国民生活センターに通報し、警察にも被害届を出したが、海外業者ゆえに犯人の特定は事実上不可能だった。最終的な損失は約90万円。
この失敗の構造
海外のバイナリーオプション業者は、金融庁の無登録業者リストに照らすと、その大半が警告の対象になっている。「出金条件」が契約後に後出しされる業者は、そもそも入金の時点で出金させないことを前提にした構造になっていることが多い。
そしてSNSの広告で「初期投資3万円」といった少額を前面に出す投資商品は、敷居の低さで人を入口に引き込む、詐欺の入り口であることがほとんどだった。登録の有無を先に確かめていれば、Zさんは入金前に止まれたかもしれない。
Zさんが入金の前にひと手間かけて金融庁のサイトを開いていれば、その業者が警告対象だと分かり、90万円は守れたかもしれない。海外業者かどうかと、登録があるかどうか。その二点を先に確かめるだけで、入口で止まれる詐欺は少なくなかった。
Zさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はZさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- 「お前にだけ」「内部情報」「上場前」「税金が必要」は、典型的な詐欺フレーズ。
- 送金先が個人口座 or 海外口座なら、ほぼ確実に詐欺。即時被害届の準備に動く。
- 出金時に追加費用や保証金を要求されたら、その時点で「払うほど深みにハマる」フェーズ。
もう一度選び直すなら
失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。
専門家に相談する
ひとりで抱えると判断が鈍る。
被害の状況や生活設計の悩みは、その道のプロに早めに話す方が結果的に軽くなる。