「アメリカ陸軍軍医・派遣中」を名乗る男性に195万円送金した60代女性
広島県の60代女性Eさん(仮名・夫死別後の単身)が、マッチングアプリで知り合った『アメリカ陸軍軍医・シリア派遣中』を名乗る男性に半年で195万円を送金した経緯。
Eさん(仮名・63歳女性・広島県の年金生活、元小学校教員)から届いた話。「アメリカ陸軍の軍医で、シリアに派遣中」を名乗る男性に、半年で195万円を送ってしまった。夫を亡くした寂しさに、国際ロマンス詐欺の典型的な手口が入り込んでいた。
「軍医・派遣中」を名乗る男性
2024年の春、夫を亡くしたEさんは、心の支えを求めて中高年向けのマッチングアプリに登録します。やり取りが始まったのは、50代の日本人男性を名乗る相手。プロフィールには「アメリカ陸軍の軍医、シリアに派遣中」とあり、写真は軍服姿の白人男性だった。LINEに移ってからは、英語と日本語を混ぜたメッセージが毎日のように届いた。
毎日の連絡では「派遣先の厳しい状況」「戦地での孤独」「日本人女性の優しさへの憧れ」が語られた。電話やビデオ通話は「軍の機密保持の規定で禁止されている」とされ、一度も実現しなかった。声も顔も確かめられないまま、信頼だけが積み上がっていった。
積み重なっていく、送金の理由
3か月ほど経った頃、相手は「日本への一時帰国を計画している」と切り出します。そこから、送金の理由が次々と積み重なっていった。「機密書類の輸送費」に45万円、「衛星電話の料金」に20万円、「派遣終了の手続き手数料」に80万円、「日本入国時の保証金」に50万円。半年で累計195万円。
Eさんは年金と貯蓄からこれを捻出し、子どもにも秘密にしていた。会えるという期待が、ひとつ送るごとに次の送金の理由を受け入れさせていた。
空港に、現れなかった
「一時帰国の予定日」、Eさんは空港で相手を待ちました。けれど、相手は現れなかった。不安になったEさんが Google で「米軍 派遣 送金 詐欺」と検索したところ、同じ文面のテンプレートによる被害が、大量に見つかった。
プロフィールの写真も、Google の画像検索にかけると、複数の被害サイトに載っている「よく使い回される写真」だと分かった。すべてが、借り物だった。
家族で支え合う形に
Eさんは広島県警と国民生活センターに相談します。米軍関係者になりすます手口は国際ロマンス詐欺の典型で、犯人グループには西アフリカ系が多いという説明を受けた。海外送金のため、回収の可能性は極めて低い。Eさんは子どもに事情を打ち明け、いまは家族で支え合う形をとっている。
この失敗の構造
「米軍関係者で派遣中」「通話は禁止」「機密保持」という三点セットは、国際ロマンス詐欺で繰り返し使われる定番の設定だった。会えない理由と、声を聞かせない理由を、もっともらしい肩書きでまとめて用意している。送金の理由が次々と積み重なっていく時点で、最初の理由からして偽装だった可能性が高い。
そして、相手のプロフィール写真を Google の画像検索にかけて使い回しを確かめることは、こうした詐欺に対する最初の防衛線になる。Eさんが最後にたどり着いた確認方法は、本当は最初に試せたものだった。寂しさにつけ込まれた195万円は、それだけ巧妙に組まれた手口だった。
Eさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はEさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- 「お前にだけ」「内部情報」「上場前」「税金が必要」は、典型的な詐欺フレーズ。
- 送金先が個人口座 or 海外口座なら、ほぼ確実に詐欺。即時被害届の準備に動く。
- 出金時に追加費用や保証金を要求されたら、その時点で「払うほど深みにハマる」フェーズ。
もう一度選び直すなら
失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。
専門家に相談する
ひとりで抱えると判断が鈍る。
被害の状況や生活設計の悩みは、その道のプロに早めに話す方が結果的に軽くなる。