Luna/UST崩壊で大学生が240万円失った話──X DMの『ステーブルコインで年20%』
福岡市の20代男性大学生Tさん(仮名)が、X DMで知ったLuna/UST(テラ)のレンディングに240万円を投じ、2022年5月のLunaショックでほぼ全額消失した経緯。
Tさん(仮名・22歳男性・福岡市の私立大学4年生)から届いた話。XのDMで知ったLuna/UST(テラ)のレンディングに240万円を投じ、2022年5月のLunaショックでほぼ全額を失った。バイト代だけでなく、消費者金融から借りたお金まで巻き込んでいた。
「USTで年利20%確定」のDM
2021年の年末、TさんのXアカウントに一通のDMが届きます。「ステーブルコインのUSTで年利20%が確定する」。送り主はフォロワー2万人の仮想通貨インフルエンサー。USTを買って米国のAnchor Protocolに預ければ、年20%の利回りが保証される、という内容だった。
ステーブルコインは価格が安定しているという前提があり、それで年20%がつくなら、と魅力的に見えた。学生のTさんにとって、銀行とはかけ離れた利回りは、またとない機会に思えた。
240万円のうち、140万円は借金
2022年の初め、Tさんはバイト代の貯金100万円に加え、親には内緒で消費者金融から140万円を借り、合わせて240万円分のUSTを購入してAnchorに預けます。年20%が保証されるなら、借りた金利を払ってもおつりが来る。そんな計算だった。
けれど、その「保証」を誰がどう支えているのかまでは、確かめていなかった。高い利回りの裏にある仕組みを見ないまま、数字だけを信じていた。
2022年5月、ペッグが外れた
2022年5月の初旬、Lunaの価格が下落を始めます。本来1USTあたり1ドルに保たれるはずのUSTのペッグが外れ、5月10日には50セント、12日には10セント、15日には数セントまで暴落した。
Tさんは5月10日にAnchorから資金を引き出そうとします。けれど引き出しの手続きには数日かかり、その間にUSTの価値は90%以上が消えていった。手元に戻ったのは約12万円。実質的な損失は、およそ228万円にのぼった。
親への告白
2022年6月、Tさんは親に事情を打ち明けます。親が消費者金融への返済を肩代わりし、Tさんはいま、月3万円ずつ親に返している。仮想通貨は2022年以降いっさい触れていない。Xのアカウントも整理した。
この失敗の構造
「年利20%が確定」という話は、数学的に長く続けられるものではない。とくにLunaのようなアルゴリズム型のステーブルコインは、価格を一定に保つ仕組みが崩れると、連鎖的に値が吹き飛ぶ。ステーブルという名前に反して、ペッグは外れる前提で見ておく必要があった。
そして学生にとっての教訓がもう一つ。投資の原資を消費者金融から借りた時点で、結果がどうであれ利息は確定する。借りてまで入れたお金が、いちばん戻りにくい場所へ消えていった。Tさんの大学最後の年は、その代償を親と分け合う時間になった。
Tさんは今、利回りの高さより先に「その利息を誰がどう払っているのか」を見るようになったという。年20%を生む仕組みが説明できないなら、その数字は誰かの入金で回っているだけかもしれない。借りてまで乗る前に、立ち止まる理由はそこにあった。
Tさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はTさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- 上昇局面の「次の半値」は来る。逃げる速度は買う速度より遅い、と知っておく。
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