FTX破綻で大阪の40代会社員、海外口座の950万円が消えた話
大阪市の40代男性会社員Sさん(仮名)が、海外取引所FTXに950万円相当の暗号通貨を預けていた。2022年11月のFTX破綻で資産凍結、回収はほぼ絶望的。
Sさん(仮名・43歳男性・大阪市のメーカー勤務、年収約720万円)から届いた話。海外の暗号資産取引所FTXに預けていた950万円相当が、2022年11月のFTX破綻で凍結され、いまも手元に戻っていない。詐欺に騙されたのではなく、預け先そのものが崩れた、という種類の損失だった。
世界2位の取引所だった、FTX
FTXは2019年に設立された暗号資産取引所で、CEOはサム・バンクマン=フリード(SBF)。2022年の初めには時価総額が3兆円を超え、世界2位とされる規模に成長していました。日本のユーザーも多く、年利5〜30%とされる利回り商品が人気を集めていた。
大手で、勢いがあり、有名な経営者が率いている。安心して預けられる材料は、表面上いくつも揃っていた。
2020年からの運用
Sさんは2020年からFTXを使い始めます。ビットコイン、イーサリアム、ソラナ(SOL)といった主要な通貨を保有し、利回り商品にも預け入れていた。2022年の初め時点で、その評価額は950万円相当に達していた。
順調に増えているように見えていた数字は、引き出して初めて自分のものになる。Sさんはその多くを、取引所に預けたままにしていた。
2022年11月11日、破産申請
2022年11月、FTXとSBFをめぐる不正会計の問題が報じられ、利用者が一斉に資産を引き出そうとする取り付け騒ぎが起きます。資金は底をつき、11月11日、FTXは破産を申請した。Sさんを含む全ユーザーの資産は、その時点で凍結された。
引き出そうとしたときには、もう遅かった。預けた資産に、自分の意思で触れられなくなっていた。
戻るとしても、数年先
2024年の時点でも、米国での破産手続きはなお進行中。Sさんは債権者として届け出を済ませているものの、回収率は10〜30%程度と見られている。実際にいくらか戻るとしても、その時期は数年以上先になる見込みだった。
この失敗の構造
海外取引所の利回り商品は、日本の規制の外にあるため、そのお金がどう運用され、どんなリスクを抱えているのかが利用者から見えにくい。年利30%という数字は、魅力であると同時に、その裏で構造的なリスクを引き受けている代償でもあった。
そして、CEX(中央集権型取引所)に資産を長く預けたままにすることは、その会社の経営そのものに自分の資産を委ねることを意味する。会社が破綻すれば、保有していたはずの通貨ごと凍結される。Sさんの950万円は、預け先を信じることのリスクを示していた。
FTXは無名の怪しい業者ではなく、世界2位とされた大手だった。それでも内側から崩れた。大きくて有名であることは、破綻しないことの保証にはならない。Sさんの950万円は、預け先の規模を信頼の代わりにしてしまうことの危うさを、はっきりと示していた。
Sさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はSさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- 上昇局面の「次の半値」は来る。逃げる速度は買う速度より遅い、と知っておく。
- 出金完了するまでは「利益」ではない。取引所のホット枯渇・規制で凍結することがある。
- 「お前にだけ教える」「上場前」「LINEグループで限定公開」は、ほぼ全部詐欺の入口。
もう一度選び直すなら
失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。
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