FTX破綻で愛知の20代会社員、320万円が一夜で消えた話
愛知県名古屋市の20代男性会社員Tさん(仮名)が、YouTubeで知ったFTX取引所に320万円相当の暗号通貨を預けていた。2022年11月のFTX破綻で資産凍結、回収はほぼ絶望的。
Tさん(仮名・26歳男性・名古屋市内のメーカー営業、年収約420万円)から届いた話。海外取引所FTXに預けていた320万円相当が、2022年11月のFTX破綻で凍結された。コツコツ給料から積み立てていた20代の資産が、預け先の崩壊で一夜にして触れられなくなった。
YouTubeで知ったFTX
TさんがFTXを知ったのは、2021年の初め。YouTubeで「FTXで稼ぐ20代会社員」という動画を見たのがきっかけでした。当時のFTXは世界2位とされる取引所で、日本のユーザーも登録すれば利用できた。FTX Earnという利回り商品で年利5〜8%が見込めるという点が、Tさんには魅力的に映った。
大手で、若い世代が使っていて、銀行預金より高い利回りがつく。始めない理由のほうが見つけにくい、という空気だった。
給料の半分以上を、毎月
2021年から2022年の10月にかけて、Tさんはビットコイン、イーサリアム、ソラナを中心に保有し、FTX独自の利回り商品にも預け入れます。2022年の初め時点で、評価額は320万円相当。毎月、手取り給料の半分以上をコツコツ追加で入れていた。
順調に積み上がる数字は、若いTさんにとって将来への手応えそのものだった。けれど、その資産の大半は、FTXという一つの取引所の中に置かれたままだった。
引き出し申請の、24時間後
2022年11月、FTXとSBF(CEOのサム・バンクマン=フリード)をめぐる不正会計の問題が報じられ、利用者が一斉に資産を引き出そうとする取り付け騒ぎが起きます。Tさんもすぐに引き出しを申請した。しかし、その申請から24時間ほどで、引き出し機能そのものが停止する。
11月11日、FTXは破産を申請し、Tさんの口座は完全に凍結された。動こうとしたときには、もう扉が閉じていた。
この失敗の構造
2024年の時点でも米国の破産手続きは続いており、Tさんは債権者として届け出を済ませているものの、回収率は10〜30%程度と見られている。実際に戻るとしても、その時期ははっきりしない。
海外取引所の利回り商品は、日本の規制の外にあるためリスクの中身が見えにくい。そしてCEX(中央集権型取引所)に資産を長く預けることは、その会社の経営に自分の資産を委ねること。さらに、給料の半分以上を新興の商品に入れていたことで、いざというときの生活の備えまで巻き込まれていた。Tさんの320万円は、若いうちの「集中」がそのままリスクになった例だった。
それでもTさんは26歳。働いて取り返せる時間だけは、まだ十分に残っている。「金額より、一つの取引所に集中させたことが甘かった」。回収を待ちながら、Tさんは淡々とそう話していた。若いうちの失敗を、次に同じ轍を踏まないための授業料と捉え直そうとしていた。
Tさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はTさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- 上昇局面の「次の半値」は来る。逃げる速度は買う速度より遅い、と知っておく。
- 出金完了するまでは「利益」ではない。取引所のホット枯渇・規制で凍結することがある。
- 「お前にだけ教える」「上場前」「LINEグループで限定公開」は、ほぼ全部詐欺の入口。
もう一度選び直すなら
失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。
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