暗号資産

FTX破綻で新潟の40代看護師、同僚紹介で380万円失った話

新潟県の40代女性看護師Yさん(仮名)が、職場同僚から勧められたFTXに380万円預けていた。2022年11月のFTX破綻で凍結。

属性44歳女性・新潟県 損失額¥3,800,000-
約 6 分で読めます(2,972字)
目次
  1. 同僚から
  2. 2020年から2022年10月までの運用
  3. 2022年11月の破綻
  4. 職場の影響
  5. 振り返り:3つの教訓
  6. 同じ形をした被害について
  7. 取材記録
  8. 管理人の感想
  9. 返金可能性
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Yさん(仮名・44歳女性・新潟県の総合病院看護師)から届いた話。職場同僚紹介で始めたFTX運用で380万円凍結された経緯を、本人の語りに沿って整理する。ここに助言や勧誘はなく、起きたことを淡々と記録するだけにとどめる。

同僚から

2020年秋、Yさんは同じ病棟の同僚看護師(40代女性・仮想通貨歴3年)から「FTXは年利10%固い」と勧められた。きっかけは雑談だった。夜勤明けの休憩室で、その同僚がスマホの画面を見せながら、預けているだけで増えていくと話したのが始まりだったという。

Yさんにとっての決め手は、商品の中身ではなく相手だった。同じ職場で何年も一緒に働き、夜勤の苦労も分かち合ってきた人が勧めてくれる。その安心感が、よく知らない海外の取引所への警戒心を上回った。投資歴2年、まだ手探りの段階だったYさんにとって、身近な経験者の存在は大きかった。

「年利10%固い」という言葉も効いた。銀行に置いても増えない時代に、二桁の利回りが当たり前のように語られる。その数字が高すぎるのではないかという問いは、信頼している同僚の口から出た瞬間に薄れていった。誰が言ったかが、何を言ったかを上書きしてしまう。Yさん自身、後から振り返ると、商品そのものを調べる時間はほとんど取らなかったと話している。

2020年から2022年10月までの運用

参入後、YさんはBTC・ETH・FTTを分散して保有した。一つに集中させず複数の銘柄に分けたのは、自分なりにリスクを散らしているつもりだったからだ。さらにEarn商品にも預け入れ、置いておくだけで利息がつく仕組みを使った。総入金は最終的に380万円に達した。

最初の一歩は小さかった。初回の入金は約76万円。夫が出勤した後の昼、子の昼寝の時間に、Telegramグループの招待リンクから手続きを進めた。家庭の中で誰にも見られない時間帯を選んでいたこと自体が、後から思えば一つの兆候だったのかもしれない。

2020年から2021年にかけて、仮想通貨の相場は大きく上昇した。画面の中の評価額は増え、利息も積み上がっていった。その過程で入金額も少しずつ増えていく。最初の76万円が、気づけば380万円になっていた。増えていく数字を見ているうちに、預け先そのものが安全かどうかという問いは、いつのまにか背景に退いていた。分散していたのは銘柄だけで、預け先は一つの取引所に集約されていたことに、Yさんは当時あまり意識を向けていなかった。

2022年11月の破綻

2022年11月、FTXは破綻した。短い期間のうちに信用不安が広がり、出金が止まり、最終的に経営は行き詰まった。Yさんの口座も凍結された。BTCもETHもFTTも、Earnに預けていた分も、まとめて引き出せなくなった。分けて持っていたはずの資産が、預け先が一つだったために一斉に動かせなくなる。それが現実に起きた。

その後、米国の破産手続きのなかで債権者として届出を行った。回収率は10~30%と予想されている。預けた380万円の大半が戻らない可能性が高いという前提で、Yさんは手続きと向き合うことになった。海外の法制度のもとで進む手続きは、言語も時間も距離も遠く、自分でコントロールできる部分はほとんどなかった。待つこと以外にできることが少ない、という状況が続いた。

職場の影響

損失は口座の中だけにとどまらなかった。紹介してくれた同僚も大損していた。二人とも被害者という立場でありながら、その後の職場での雑談には気まずさが残った。勧めた側も勧められた側も、顔を合わせるたびにあの話を思い出す。仕事の合間の何気ない会話が、以前のようには戻らなくなった。

最終的に、紹介した同僚は別病棟への異動希望を出した。職場の人間関係そのものが、投資の損失をきっかけに変わってしまった。Yさんが望んだ結果ではなかったが、同じ職場に居続けることの息苦しさが相手を動かしたのだろうと、Yさんは語っている。

振り返り:3つの教訓

Yさんが自分の経験から整理した三つの点を、本人の言葉に沿って記す。

1. 同僚紹介でも独立した第三者の意見を聞く

信頼できる相手からの紹介ほど、警戒心が緩む。だが紹介者もまた、その商品の安全性を保証できる立場にはない。今回のように、勧めた側も同じく被害に遭うことは珍しくない。利害から離れた第三者の目を一度通すだけで、見え方が変わることがある、とYさんは振り返る。

2. 医療職の職場関係は投資情報共有で壊れやすい

夜勤を共にする医療職の現場は、人間関係が濃い。だからこそ投資情報も流れやすく、損失が出たときの波及も大きくなる。お金の話が職場に持ち込まれたとき、失うのは資金だけではないということを、Yさんは身をもって知った。

3. 海外取引所への大型預入は破綻リスク

国内の規制が及びにくい海外取引所は、運営が行き詰まったときに資産を取り戻す手立てが乏しい。銘柄を分散しても、預け先が一つなら、その一つが倒れたときにすべてが止まる。分散の対象は銘柄だけではない、という視点が抜けていたとYさんは話している。

同じ形をした被害について

FTXの破綻は、2022年に多くの利用者を巻き込んだ出来事だった。当時、海外の大手取引所は手軽に高い利回りを得られる場として広く知られ、預けておくだけで増えるという感覚が共有されていた。Yさんが入ったのも、その流れの中だった。だが取引所に資産を預けるということは、その運営が無事であり続けることを前提にしている。前提が崩れたとき、口座の中の数字は、自分の手の届かない場所へ移ってしまう。

Yさんの話を整理して見えてきたのは、判断の一つひとつが、その場では極端に不合理だったわけではないという点だった。信頼できる同僚の紹介、当たり前のように語られた利回り、増えていく評価額。それぞれは小さな前提で、その小さな前提が連なった先に、380万円という結果があった。どこか一か所で大きく歯車が外れたというより、いくつもの当たり前の判断が積み重なる中で、立ち止まる機会が少しずつ遠ざかっていったように見えた。これは記録であって、何かを勧める話でも、誰かを責める話でもない。

LESSONS & CONSIDERATIONS

Yさんの体験から、整理できること

編集者注:以下はYさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。

A
REFLECTION

心理と反省ポイント

  • 上昇局面の「次の半値」は来る。逃げる速度は買う速度より遅い、と知っておく。
  • 出金完了するまでは「利益」ではない。取引所のホット枯渇・規制で凍結することがある。
  • 「お前にだけ教える」「上場前」「LINEグループで限定公開」は、ほぼ全部詐欺の入口。
B
PRACTICAL CHOICE

もう一度選び直すなら

失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。

C
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