千葉の20代大学生、YouTube広告の副業詐欺で130万円失った話
千葉県松戸市の20代男性大学生Aさん(仮名)が、YouTube広告の『大学生でも月10万円の副業投資』に130万円を投じ、情報商材+投資詐欺の被害に。
Aさん(仮名・22歳男性・千葉県松戸市の私立大学4年生)から届いた話。実家で両親と妹と暮らす、ごく普通の学生だった。アルバイトはしていたものの、まとまった額を投資に使った経験はない。そのAさんが、YouTube広告から始まった副業投資詐欺で、最終的に130万円を失うまでの経緯を聞いた。きっかけは、本当にどこにでもある一本の動画広告だった。
YouTube広告から
2023年春のことだった。Aさんが普段どおりYouTubeを見ていたとき、動画の合間に『大学生でも月10万円の副業投資』という広告が流れた。就職活動を控えた時期で、お金のことが頭の片隅にあった。月10万円という数字は、学生のバイト感覚からすれば手の届きそうな、それでいて少しだけ夢のある金額に見えた。広告の遷移先からLINEを友だち追加すると、自動返信で実績らしき画面や受講者の声が次々と届いた。
すぐに何かを買わされたわけではない。半月ほど無料の情報を受け取り続けたあと、『初回限定の有料コミュニティ』への案内が来た。金額は29,800円。月10万円が狙えるという話の入口としては、むしろ安く感じられた。最初の一歩としては大きすぎない額に設定されていたことが、Aさんの警戒心をうまく外していった。
段階的課金
コミュニティに入ってからの流れは、振り返れば一本道だった。最初の29,800円を払うと、今度は『さらに上位のプラン』があると案内される。上位プランに進めば『個別コンサル』を勧められ、コンサルを受ければ『これからは実際の投資資金が必要だ』という話になる。一段のぼるたびに次の段が用意されていて、そのつど「ここまで払ったのだから」という気持ちが背中を押した。
支払いの内訳は、アルバイトで貯めた50万円と、消費者金融から借りた80万円。合計130万円。学生の身で扱う金額としては明らかに大きい。それでも一度に130万円を要求されたわけではないため、Aさん自身、いつそこまで膨らんだのかをはっきり言えなかった。数万円の課金が積み重なり、やがてバイト代では足りなくなり、借入に手を出していた。最初の入金は約26万円。週末の朝、両親が散歩に出ている間に手続きを済ませたという。家族に知られないように、という時点で、心のどこかでは引っかかっていたのかもしれない。
運営者の連絡途絶
歯車が完全に狂っていることに気づいたのは、コミュニティ参加から3か月ほど経った頃だった。ある時を境に、運営者からのLINEの返信が止まった。コミュニティ自体にもアクセスできなくなり、案内されていたページは開かなくなっていた。Aさんは返金を求めて何度も連絡を試みたが、応答は一切なかった。投じた130万円のうち、手元に戻るものは何もなかった。
両親への告白
残ったのは、消費者金融への返済だった。バイト代だけでは到底返しきれず、Aさんは一人で抱え込めなくなった。打ち明けたのは年末の帰省のとき。母親に、泣きながら、これまでの経緯を一つずつ整理して伝えた。両親は驚いただろうが、最終的に借入を一括で返済した。お金は戻ったが、それは詐欺の相手からではなく、家族の負担によるものだった。
その後
取材の時点で、Aさんは大学生活を続けながら、休日の過ごし方を変えていた。空いた時間は読書や運動といった趣味に充て、SNSに流れてくる広告は非表示設定にした。あの一本の広告がなければ、と何度も思ったと話していた。
失敗の構造を整理する
この一件を、Aさん個人の不注意としてだけ片づけるのは正しくないと感じた。むしろ、最初から段階的に課金させる設計そのものが、人の判断を少しずつ削っていく仕組みになっていた。入口の29,800円は、月10万円という見込みに対してあえて安く置かれている。安さで一歩踏み込ませ、踏み込んだ事実を理由に次を勧める。すでに払った金額が、次の支払いをためらわせるのではなく、逆に正当化する材料として働いてしまう。引き返すほど損が確定する気がして、前に進むほうが楽に見えてくる。この感覚の反転が、最後まで足を止めさせなかった。
消費者金融からの80万円も、構造の一部として見ておきたい。バイト代の50万円を使い切った時点で立ち止まる余地はあったはずだが、課金の流れに乗っていると、不足分をどう埋めるかという発想に切り替わってしまう。本来は投資に回す前提のない借入金が、情報商材と投資資金に流れていった。失った金額そのものより、返済という形で被害が長く残ったのは、この借入が絡んだためだった。
背景にあるもの
就職を控えた学生に『大学生でも月10万円』と訴える広告は、相手の不安と期待の両方をうまく突いている。将来のお金への漠然とした不安があり、同時に、自分にもできるかもしれないという期待がある。その隙間に、安い入口と段階的な誘導が差し込まれる。Aさんが特別に弱かったわけではなく、同じ条件に置かれれば多くの人が同じ道筋をたどりうる、という意味でありふれた手口だった。最初の入金を両親の留守に済ませた点も含め、後から見れば違和感の芽はあったが、その時々の判断としては自然に流れていた。
振り返り:3つの教訓
1. YouTube広告の『副業投資』は段階的課金型詐欺の典型
数万円の入口から上位プラン、個別コンサル、投資資金へと一段ずつ引き上げていく流れは、このタイプの詐欺に共通して見られる形だった。入口の安さは警戒を外すための設計で、安いから安全という話ではない。
2. 大学生は投資より学業+少額NISAから
学生という立場で、いきなり高額のコミュニティや投資資金に踏み込む必然性はなかった。Aさん自身、振り返ってそう話していた。
3. 消費者金融借入を情報商材に流用しない
本来は手元の資金で完結すべきところに借入が入った瞬間、被害は失った金額にとどまらず、返済という形で家族にまで及んだ。借りたお金を情報商材や投資資金に回す段階で、すでに引き返すべき地点を越えていた。
Aさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はAさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- 「お前にだけ」「内部情報」「上場前」「税金が必要」は、典型的な詐欺フレーズ。
- 送金先が個人口座 or 海外口座なら、ほぼ確実に詐欺。即時被害届の準備に動く。
- 出金時に追加費用や保証金を要求されたら、その時点で「払うほど深みにハマる」フェーズ。
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失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
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