広島の30代女性教員、マッチングアプリのロマンス詐欺で340万円失った話
広島県広島市の30代女性教員Nさん(仮名・小学校教諭)が、マッチングアプリで知り合った『海外駐在エンジニア』に340万円送金。ロマンス詐欺。
Nさん(仮名・34歳女性・広島市の小学校教員)から届いた話。マッチングアプリで知り合った『海外駐在エンジニア』に、半年かけて340万円を送金した経緯を、本人の言葉に沿って整理する。淡々と読めるよう、時系列と金額の動きを軸に並べた。
マッチングアプリで出会い
2023年夏、Nさんは結婚相手探しでマッチングアプリに登録した。仕事は安定しているが、平日は授業と校務に追われ、休日は実家での時間が中心で、出会いの場が限られている。アプリなら自分のペースで相手を探せると考えての登録だった。
ほどなくして、30代後半の日本人男性とマッチした。プロフィールには『シンガポール駐在のソフトウェアエンジニア』とあった。やり取りは丁寧で、こちらの仕事の話にも関心を示し、子どもと接する仕事への敬意を口にした。海外勤務という距離が、かえって『今すぐ会おう』と急かされない安心感につながったという。連絡はほぼ毎日続き、数週間のうちに、Nさんの中では相手が日常の一部になっていた。
『一時帰国費用』の送金依頼
やり取りが始まって4か月後、相手の様子が変わる。『家族が急病で倒れた。一時帰国したいが、現地の銀行口座が凍結されていて動かせない』という相談だった。それまで一度もお金の話をしなかった相手が、初めて切実な調子で困りごとを打ち明けてきた。Nさんは『この人のためにできることがあるなら』と思い、まず50万円を送金した。
送金が済むと、状況は解決に向かうどころか、次の費用が必要になったと連絡が来る。『口座凍結を解くための弁護士費用』『現地での治療費』『日本へ戻るための航空券代』。一つひとつにはそれらしい説明が添えられ、しかも『あと少しで帰れる』という見通しが毎回示された。ここまで出したのだから、あと一回出せば終わる。その感覚が、送金をやめる判断を先延ばしにさせ続けた。
段階的な送金
こうしてNさんは、6か月のあいだに合計340万円を送金した。原資は教員としての給与とボーナス、そしてこつこつ貯めてきた貯蓄だった。一度に大金を動かしたわけではなく、数十万円ずつの送金が積み重なって、気づけばこの額になっていた。金額が一度に大きく見えないことが、かえって『まだ大丈夫』という錯覚を支えていた。
相手とのやり取りは変わらず続いていて、感謝の言葉や、帰国後の生活を語る言葉も交わされた。お金を出している相手から優しい言葉が返ってくるほど、ここでやめると今までの関係まで否定することになる気がして、引き返しにくくなった。送金は、相手を助ける行為であると同時に、自分が信じてきたものを守る行為にもなっていた。
詐欺と判明
『日本に着いた』という連絡が来た。これで会えると思ったが、待ち合わせは流れ、理由をつけて先延ばしにされ、結局その後も一度も会えなかった。違和感が積み重なり、Nさんは送金からおよそ半年後に、相手のプロフィール写真を画像で逆引き調査してみた。すると同じ写真が、まったく別の海外の人物のものとしてネット上に存在していた。プロフィールの写真は、最初から他人の画像の流用だった。
そこでようやく、『シンガポール駐在のエンジニア』も、『家族の急病』も、『口座凍結』も、帰国できない事情のすべてが、送金を引き出すために組み立てられた筋書きだったと分かった。困っているのは相手ではなく、困らせ続けられていたのは自分のほうだった。
振り返り:3つの教訓
1. 『海外駐在』『家族の緊急事態』はロマンス詐欺の典型
会えない理由を『海外勤務』で固定し、送金の口実を『家族の急病』『口座凍結』『弁護士費用』といった緊急事態で次々に作る。この組み合わせは、国際ロマンス詐欺で繰り返し報告されてきた型に重なる。緊急性は『今すぐ』『あなたしか頼れない』という圧力に変わり、立ち止まって確かめる時間を奪う。緊急の度合いが強い相談ほど、いったん保留して第三者に話す余地を残しておくほうが、構造としては安全側に働く。
2. プロフィール写真の逆引き調査は必須
Nさんが真相にたどり着いたのは、写真の逆引き調査だった。裏を返せば、最初に同じ確認をしていれば、入口で気づけた可能性がある。写真が他人からの流用かどうかは、関係が深まる前のほうが冷静に確かめられる。送金の前に一度、相手の写真や名乗りが本物かを照合してみる。それだけで、筋書きの土台が崩れることがある。
3. 一度送金すると追加要求は止まらない
最初の50万円が通った後、要求は止まるどころか段階的に増えていった。少額から始めて徐々に額を上げる進め方は、『ここまで出したのだから』という心理を利用して、引き返しにくくする。だが、これまで送ったお金は、これから送るお金を正当化する理由にはならない。おかしいと感じた時点が、いつでも最後の一回にできる地点になる。
Nさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はNさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- 「お前にだけ」「内部情報」「上場前」「税金が必要」は、典型的な詐欺フレーズ。
- 送金先が個人口座 or 海外口座なら、ほぼ確実に詐欺。即時被害届の準備に動く。
- 出金時に追加費用や保証金を要求されたら、その時点で「払うほど深みにハマる」フェーズ。
もう一度選び直すなら
失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。
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被害の状況や生活設計の悩みは、その道のプロに早めに話す方が結果的に軽くなる。