「次は戻る」と4年信じた仮想通貨320万、塩漬けの含み損が戻らないと受け入れるまで(30代男性・本人とのやり取り)
D.Wさん(37歳男性・地方都市・IT技術職)が、2021年の仮想通貨高値圏で買い、4年保有しても戻らないことを受け入れるまでの記録。
D.Wさん(仮名・37歳男性・地方都市でIT技術職に就いている)から届いた話。2021年の仮想通貨の高値圏でビットコインとアルトコインを買い、損切りできないまま4年塩漬けにしている経緯。320万円という数字は、売却前の評価損として整理したもの。
管理人は仮想通貨を持っていない。だから値動きの当否はわからない。D.Wさんの話で聞いていたのは、価格の話ではなく、「待つ」という行為がどれだけ長引くか、という話だった。
2021年、上がり続ける画面
D.Wさんが買い始めたのは、2021年。仮想通貨の価格が連日のように上がっていた時期だった。SNSを開けば、利益の報告が並んでいた。
最初は数十万円から。買った直後にも価格が上がり、含み益が出た。その成功体験が、次の買い増しの背中を押した。
高値で買い足した
価格が高いほど、「まだ上がる」という空気は強くなっていた。D.Wさんは、上がっていく途中で何度も買い足した。気づけば、投じた額は320万円になっていた。
ビットコインだけでなく、名前を聞いたばかりのアルトコインも複数買っていた。「乗り遅れたくない」という気持ちが、銘柄を増やしていった。
そして相場は、ある時点を境に下げに転じた。含み益は、みるみる含み損に変わっていった。
「次の上昇で戻る」
下げ始めても、D.Wさんは売らなかった。仮想通貨は過去にも暴落と回復を繰り返してきた。「次の上昇で戻る」。そう考えるのは、自然なことに思えた。
戻ると信じる根拠は、毎回更新されていった。次の半減期で。次の規制の動きで。次の大型の参入で。戻る理由は、いつも少し先に置かれていた。
「次は戻る」と4年信じ続けた、その時間が、戻ってこない。
4年が経った
気づけば、最初に買ってから4年が過ぎていた。価格は、買った高値には戻っていない。アルトコインのいくつかは、ほとんど取引されなくなっていた。
D.Wさんは今も、その大半を売っていない。売れば、320万円の損が確定する。確定させたくない、という一点で、4年持ち続けてきた。
含み損から、時間の損へ
D.Wさんがこの取材で何度も口にしたのは、お金の話ではなく、時間の話だった。「戻るのを待っているあいだの4年は、もう戻ってこない」。
含み損は、まだ確定していない損。同時に、その資金を4年間動かせないまま塩漬けにしてきたという、確定した時間の損でもある。D.Wさんは「損切りが正解だったのかは、正直まだわからない」と言う。ただ、待つと決めた瞬間に、何を待っているのかを決めていなかったことだけは、はっきりしていると話した。
D.Wさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はD.Wさん個人の体験から得られた視点の整理であり、当サイトからの投資助言・売買推奨ではありません。投資判断は読者ご自身の責任において行ってください。
- 「次の上昇で戻る」は、目標値を後ろにずらすパターンの典型。
- 含み損は確定していない損失ではなく、確定していない時間損失でもある。