「あと少し耐えれば戻る」とロスカットを下げた、その夜 ─ FX 200万円台が一晩で消えた(30代男性・本人とのやり取り)
R.Kさん(34歳男性・関西圏・営業職)が、含み損が拡大する局面でロスカットレベルを手動で引き下げた結果、翌朝に証拠金がほぼ消えていた一晩の記録。
R.Kさん(仮名・34歳男性・関西圏でメーカーの営業をしている)から届いた話。含み損に耐えようとして、ロスカットのレベルを自分の手で引き下げた夜、200万円台が一晩で消えた経緯。
管理人もFXを学んでいる身として、ロスカットを「損が確定してしまう線」だと感じていた時期がある。だからR.Kさんが下げたくなった気持ちは、わかってしまう。わかるからこそ、この話は書き留めておきたかった。
含み損が膨らんだ、ある平日の夜
R.Kさんが持っていたのは、EUR/JPYのポジション。レバレッジは25倍。その日の夜、相場は持っているのと逆の方向へ動いていた。
含み損は、夜のあいだに少しずつ膨らんでいった。証拠金維持率が下がり、ロスカットのラインが近づいてくるのが、画面の数字でわかった。
R.Kさんは「ここで切れたら、損が確定する」と思った。あと少し耐えれば、戻るかもしれない。そう考えた。
ロスカットのレベルを、手で下げた
R.Kさんが使っていた口座には、ロスカットの基準を自分で調整できる設定があった。彼はその設定を開き、ロスカットが発動する水準を引き下げた。
下げた瞬間、ロスカットまでの距離が広がった。証拠金維持率の表示が、危険域から少しだけ戻ったように見えた。損は何も減っていないのに、画面の上では、危機が遠のいたように見えた。
けれど相場は、同じ方向へ進み続けた。広げたはずのロスカットのラインに、また近づいてきた。
下げれば、また近づいてくる
R.Kさんは、もう一度設定を下げた。そしてもう一度。ロスカットのラインを下げるたびに、証拠金の余裕は削られ、損が確定する地点だけが後ろへずれていった。
日付が変わる頃、R.Kさんは画面を閉じた。下げられるところまで下げて、戻ることに賭けて、寝た。
あと少し耐えれば戻る、と思っていた。その「あと少し」を、自分でずらし続けていた。
翌朝、未読の警告メールが17通
朝、目を覚ましてスマホを見ると、口座からの警告メールが17通、未読でたまっていた。証拠金維持率の低下を知らせるメールが、夜のあいだに何度も届いていた。
最後のメールは、ロスカットの約定通知だった。引き下げたラインも、最後には相場に追い抜かれていた。口座の証拠金は、ほぼ残っていなかった。失われたのは200万円台。
R.Kさんは出社の準備をしながら、その金額を何度も見直したという。数字が変わるわけもないのに、見るのをやめられなかった。
その後
R.Kさんは今、ロスカットの設定を一度も触らないと決めている。「下げられる設定があること自体が、自分には危なかった」と話す。
下げたあの夜、戻ると本気で信じていたのか、と聞いた。返ってきたのは「信じていたというより、確定させたくなかっただけだった」という言葉だった。損を見たくない、という気持ちが、判断のすべてを動かしていた、と。
R.Kさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はR.Kさん個人の体験から得られた視点の整理であり、当サイトからの投資助言・売買推奨ではありません。投資判断は読者ご自身の責任において行ってください。
- ロスカット水準の引き下げは、損失の確定を遅らせる行為。損失そのものを減らしてはいない。